導入事例

オムロン ネットワークアプリケーションズ株式会社 ディザスタリカバリ

オムロン ネットワークアプリケーションズ株式会社様(以下、ONA)では2006年から進めてきたIT構造改革の一環として2009年9月「Egenera(R)BladeFrame(R)」(以下、Egenera)を導入。さらに2013年春には、このサーバを用いて構築した災害復旧(DR)システムが稼働予定。今回は、災害対策を進めた経緯、ポイントなどを伺いました。

お客様データ

オムロン ネットワークアプリケーションズ株式会社様は、オムロングループの情報システムの開発や運用を行う企業。早い時期から事業にITを取り入れてきたオムロングループにおけるIT品質の確保とさらなる効率化を目的として1998年に設立されました。

導入ソリューション・導入商品

1.国内で万が一の事態が発生したとしても、グローバルでは事業をとめられない!

海外売上比率が50%を突破した(2011年)オムロングループ。
国内で発生する不測の災害がグローバル事業全体に影響が及ぼすことは避けたい。

2.お客さまにご迷惑をおかけしない体制を早期に構築したい!

災害時「どこからなにをどれだけ受注していたかわからない」とは問題。
お客さまの受ける影響を最小限にとどめたい。

IT基盤改革部
チームリーダ 教野 亨 氏

「実は、弊社の情報システムは1994年にIBMのデータセンターに移設することで災害に備えてきましたが、万が一、データセンターが被災した場合の対策については数年前から検討を始めていました」と、IT基盤改革部チームリーダの教野亨氏は明かします。着実に進めていた災害対策が一気に加速したきっかけは、2011年3月に発生した東日本大震災、さらに同年秋にタイで発生した洪水でした。東日本大震災での被害は軽微なものでしたが、タイの洪水では現地工場が被害を受け、大きな影響が出たといいます。

さらにもうひとつ、オムロングループとして災害対策に取り組む契機になったのは、地域別売上構成の変化でした。実は2011年、オムロングループの海外売上比率は国内売上比率を逆転。歴史的にも大きな節目にありました。それだけに、万が一日本で何かあったとしてもグローバルでは事業をとめられないという機運が高まっていたのです。しかも当時、オムロングループはIT効率化の一環として、生産各拠点のITシステムを一旦日本に集約しようとしていました。その最中に起こった災害。グローバルでの災害対策を進めるためにも、日本におけるITの災害対策は喫緊の課題 となっていました。IT化の進展がビジネスを大きく発展させることに疑いの余地はありません。今やITがビジネスに不可欠な存在であることも事実です。

ただし、災害時にはその存在感が大きなリスクをはらむと教野氏は指摘します。「データセンターが被災した場合、事業としては影響を受けていない、製品は無事、出荷もできるという状況にも関わらず、受発注システム、物流システムなどが止まってしまうとビジネスまで止めてしまいます。メーカーとしての供給責任を果たさなければならないと考えました」(教野氏)。

そして2012年3月、オムロン株式会社で災害対策の実施が決まり、本格的な企画がスタートしました。当時、ONAはオラクルデータベースを対象に災害対策を検討、物理環境から仮想環境への移行を先行して進めていました。さらにこの決定を受け、商用UnixとEgeneraで運用しているシステムについても災害対策を進めることになったのです。 Egeneraについては2009年の導入以来、活用の幅を徐々に広げていました。当初はNotesの運用を中心に行い、現在では物流関連、勤怠、会計のワークフローなど約100OSが稼働中です。「Egeneraで運用しているシステムは基本的に仮想環境上に構築されています。ですから『災害対策もすぐできるよね?』と社長に言われましたね(笑)」(教野氏)。

1.同時被災しない、万が一の際にも迅速に復旧できるDR対策ができた。

徹底的な絞り込みで同時被災せず、かつ迅速に復旧できる。
また応援部隊がすぐに駆けつけられる体制ができた。

2.災害復旧が前提となったシステムで、短期間で構築を完了見込み!

災害復旧(DR)を想定した設計のEgenera。
他のサーバ系よりも短期間でDRサイトを構築。

IT基盤改革部
マネージャ 福本 博文 氏
「災害対策用のデータセンター選定にあたっては、日本国内は北海道から沖縄まで、加えてアジア各国でも探しました」と、IT基盤改革部マネージャの福本博文氏は当時の状況を明かします。

2013年度第1四半期までに災害対策を終えることになっていたことや、保守のことを考えると最終的には国内で絞り込むことになりました。データセンターにはそれぞれ特徴があります。そのなかで「どういう災害に強いのか(地震、津波、原発、洪水、飛行機、米軍基地、停電、竜巻など)」、「京都からのアクセス」、「すでに運用しているデータセンターからのアクセス」などを検討条件にして絞り込みを進めたといいます。

「なかでも、オムロンとして最も重要視すべきだと考えたのが、巨大地震になると危惧される南海トラフ地震が発生したときの影響です。日本においては、残念ながら地震のリスクがゼロになることなどありえません。したがって、災害対策は同時被災しないことが条件と しました」 (福本氏)。

本社や既設のデータセンターとは別の電力会社地域であること、引越しのしやすさ、万が一大阪がダメージを受けた場合、大阪以西へのアクセスが困難になるという阪神・淡路大震災での教訓、東京から応援部隊が来ることを想定した際のアクセスなどを総合的に判断し、2012年9月、東海圏内に災害対策用のデータセンターを設置することにしたのです。

「東海というと、最も地震が心配されるのでは?と思われがちですが、実は今回選定したデータセンターは海から遠く、津波の危険がほぼありません。加えて建物の免震性や名古屋からのアクセスが良いことなどがここに決めた理由です」と、福本氏は選定のポイントを説明します。 年末からいよいよ構築がスタート。「Egeneraは元々災害復旧を想定したつくりになっていますし、バージョンあわせも不要ですので、立ち上げてしまえばあとは簡単で、あっという間に終わります。スタートこそ他のサーバ系よりも遅かったのですが、最も早く構築が終わりそうです。」と、教野氏。災害対策に強いEgeneraの特徴、強みを再確認した様子でした。

今回、日本の取り組みが完了することで、グローバルで最適なITをめざすという側面からの取り組みもおおむね終わることになります。今回立ち上げた災害用サイトは、どのように利用されていくのでしょうか。 「通常時には開発・検証などに有効活用する方針です。もちろん、今回の災害対策用サイトも使えなければ意味がありませんので、夏ごろを目処に、訓練を実施する予定です。訓練では、インフラ面とマネジメント(人の動き)の双方からきちんと手順を踏んでやってみようと考えています」と、教野氏は今後の計画を明かします。 「パナソニックISには今回、Egeneraの災害対策に関して、機器の提案などでお世話になりました。同じユーザー同士、これからもパナソニックISで検証された組み合わせによる使いこなしの提案などには、ぜひ期待したいところです」(教野氏)。

営業本部 ソリューション営業部 西日本営業所松井 正貴ONA様には、2009年当時に掲げられていたIT構造改革の一環として、当社よりEgenera BladeFrameをご導入いただいた時からのお付き合いになります。2011年は、3月の大震災やタイ大洪水など、われわれDRをご提案するベンダーもいろいろ考えさせられた1年でした。ITの災害対策はスタートをしたばかりであり、1つ1つの課題を着実にクリアしながら事業を止めないインフラ基盤の実現に向けて、パートナーとして共に考えさせていただきたいと思います。

取材:2013年2月6日

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