導入事例

株式会社りそな銀行 りそなEBセンター eSmileCallを導入~応答率向上と細密な分析が可能に

りそなEBセンター様(以下、EBセンター)の問い合わせ数は非常に多く、1日平均1,000件、時に月数万件におよぶことも。しかし、コールセンターでの問い合わせ状況や内容についてはリアルタイムで管理できておらず、課題となっていました。「りそなビジネスダイレクト」のサイトリニューアルと「でんさい」のスタートを前に、コールセンターシステムの刷新を決めたEBセンターが選んだコールセンターシステム、それはパナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)の「eSmileCall(イースマイルコール)」です。
※でんさい:手形・振込に代わる新たな決済手段

お客様データ

りそなEBセンター様は、りそな銀行の法人向けエレクトロニックバンキングに関するサポート全般を行っています。

導入ソリューション・導入商品

1.スキルに応じて問い合わせを振り分けたい。

お客さまの使用している機器は多種多様。オペレータのスキル・専門性に応じた電話の割り振りを行いたい。

2.リアルタイムに状況を管理したい。

電話応対と情報入力が別体系のシステムのため、リアルタイムに情報が管理できない。

りそなEBセンター
コールセンターチーム
チーフマネージャー
津川 哲夫 氏

EBセンターはりそな銀行の法人向けエレクトロニックバンキングを利用する法人顧客をサポートしています。EBセンターに設置されているコールセンターでは稼働時間である8:30~21:00(土日は9:00~17:00)の間、問い合わせに対応。「件数は1日平均1,000件。通常50席、ピーク時は70席がフル稼働しています。振り込みや入金が重なる日などは、締め切り時間が近づくとより混雑する傾向があります」と、りそなEBセンターコールセンターチームチーフマネージャーの津川哲夫氏は多忙を極めるコールセンターの状況を明かします。

従来のコールセンターシステムは、電話応対と情報入力が別体系。「1件あたりの対応時間、オペレータごとの対応状況などを手作業で集計しなければならないうえ、リアルタイムにモニタリングもできず、応対の正確性や的確さを判断できませんでした」と、津川氏。 システム刷新にあたり、EBセンターは3つの条件を挙げました。

①専門性向上による問い合わせ対応の強化 ②リアルタイムのモニタリングとデータ管理 ③保守・ケアの充実 です。
「過去何度かの統合を経たりそな銀行には、多数の商品・サービスが併存しています。そのため、お問い合わせ内容が非常に幅広く、オペレータの専門性にも濃淡がありました」と、津川氏。内容に応じて専門性の高いオペレータが対応できるようになれば、お客さま満足度も向上し、効率もアップできるはず。これを実現するにはリアルタイムでのモニタリングとデータも必須でした。

さらに「コールセンターシステムの不具合によってお客さまの支払い業務などに遅延が生じるなど絶対あってはならないことです。365日体制での保守やケアしてくれるSIerであることが重要な条件でした」と、津川氏は強調します。「eSmileCall」との出会いは、こうした条件を固める時期のことでした。「実は、パナソニック製のファームバンキング専用機が今日のインターネットバンキングの発展に貢献したという思いがあったのです。そのグループ会社ですから、一度話を聞いてみようと」(津川氏)。パナソニックISが提示した体制は、津川氏を驚かせたといいます。「実は、条件をお伝えしつつ悩みや課題を打ち明けると、パナソニックISはどんなことも『大丈夫ですよ!』と答えてくれたのです。びっくりしましたが頼もしく、とても安心できました」(津川氏)。

お客さまの課題、不安、悩みをひとつひとつ解消するごとに増す信頼感。こうして、パナソニックISの「eSmileCall」の導入が決定したのです。

1.スキルに応じた電話割り振りができるようになり、応答率が向上!

応答率99%まで向上。待ち時間も大幅に減少させることができた!

2.細密な分析が可能になり、状況に応じた手を打つことができるようになった!

応答までの時間、放棄の数などがデータとして明示されるようになり、状況に応じた対応ができるようになった。
銀行としての顧客満足度向上にも貢献。

「新旧商品・サービスの併用による移行は考えていませんでした。とはいえ、営業時間外の限られた時間内にきちんと設置を終えることができるのか。何より、使い勝手が一夜でまったく変わってしまう。オペレータの教育はどうするのか。不安が多々ありました」と、津川氏は当時の心境を明かします。最大の悩みは、シフト勤務のため一斉研修が困難なオペレータの教育。「パナソニックISにも相談し、シフトのすき間に教育を行うことにしました。パナソニックISの担当者には何度も足を運んでもらいましたが、最終的にはオペレータ一人当たり約1週間の教育期間をとることができました」(津川氏)。

2012年7月、システムの切り替えを土曜日の営業時間終了後に実施。無事に本番運用をスタートさせることができました。「稼働後、音量などは多少調整しましたが、順調に稼働しています」と津川氏は手ごたえを語ります。

2012年11月には「りそなビジネスダイレクト」がリニューアル。1日あたりの問い合わせ件数が3~4万件に激増した時期も、無事に乗り切りました。「2013年2月18日からは、「でんさい」の取り扱いが全国でスタートしました。普及が進むにつれお問い合わせも増えていくはずですので、引き続き注意していきたいと思います」と、津川氏。

「eSmileCall」の統計情報により、コールセンターの稼働状況が数字で見えるようになったことも大きな成果でした。「お客さまとの平均通話時間が約7分であること。最長通話時間は3時間弱であり、これはインストールから操作完了までを電話口でナビゲートしたためだということ。こうした状況がすぐわかるようになりました」と、津川氏は効果を語ります。

さらに、データを活用した改善効果が早くも現れているというのです。「平均応答時間は、12月に約1分だったものが、1月には33秒まで短縮できました。また、2月4日月曜日には応答率99%超という新たな記録を達成できたのです。通常、休み明けや月初はお問い合わせが非常に多く、これまで多少の放棄呼が出ていたのですが、この日は取りこぼすことなく、ほぼすべて対応できました。これらはスキルに合わせて担当を割り振る方法がうまく機能してきた効果かもしれません。今後、蓄積したデータが増えていけば、応答率の向上や、コール予測などの分析もより精度が上がってくると思います」(津川氏)。


放棄呼:応答する前にお客さまが電話を切ってしまうこと

システムリニューアルの成果がさまざまな角度から確認できるようになったことで、次の段階へステップを踏み出せたと津川氏は実感している様子です。 「毎月の報告に『平均応答時間』『放棄呼率』『平均通話時間』などの定量的な情報が加わり、報告内容の信頼性、説得力をさらに高められたと考えています。また、これらのデータは、りそな銀行として顧客満足度向上策を検討するうえでも活かせるのではないかと考えています」(津川氏)。今後はデータの分析をさらに進めることにより、さまざまな視点からお客さまの満足度向上に取り組みたいと話します。 今後の展開にあたり、津川氏はパナソニックISにも大きな期待を寄せます。「パナソニックISには本当に足しげく通っていただき、私たちの要望をよく汲み取っていただいたと感謝しています。何もしないでいると1、2年などあっという間にたってしまいます。今後も、業界トレンド、動きなどから新しい提案をしていただきたい。硬直しがちな目を解きほぐしてくれるような役割も期待しています」(津川氏)

営業本部 開発営業部熊澤 巧 りそな銀行の法人向けエレクトロニックバンキングを電話サポートしているりそなEBセンター様向けに当社コールセンタシステムが採用いただきましたことをとてもうれしく思います。お客さまがコールセンタ導入に係わる課題につきましては、お話を賜っている時点で把握でき、克服できる自信がありました。その自信がお客さまに伝わり、評価いただいたと思われます。しかし、IT製品は納品後、運用して初めて評価されます。当社の製品、サポート面で安心と信頼を継続し、さらに高いご満足をいただけるように努力いたします。

取材:2013年2月 7日

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