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Vol.024 IT&あかりで未来を照らす!「可視光通信」を使ったコミュニケーション

2012年4月25日 「すべてはお客さま」 
特集 : IT&あかりで未来を照らす!「可視光通信」を使ったコミュニケーション

すべてはお客さま

代表取締役社長 前川一博の写真

「Move to Delight―満足を超え、感動をめざして―」を掲げ、3年目を迎えました。

"満足を超えた"と喜んでいただけるお客さまが増えたことは、私たちにとって何よりの励みです。

このような事例では、私たちの「ものづくりのDNA」が高く評価されています。すなわち、良いものを創ろうという情熱に加え、目指すものにたどり着くため、課題を乗り越え前に進む方法を一丸となって考えていくチャレンジスピリットです。また「一丸」と言っても、仲良く意見を持ち寄り、まとまることではありません。これは「すべてはお客さま」という目的のもとに集結し、様々な立場から意見を戦わせる。そして、お客さまにとっての答え、すなわちソリューションが輝きを放つまで徹底的に磨き上げていく、切磋琢磨のプロセスなのです。

経営の中枢であるITシステムをおまかせいただいていることへの感謝をもって。これからも「すべてはお客さま」という原点に忠実な取り組みを続けてまいります。

IT&あかりで未来を照らす!「可視光通信」を使ったコミュニケーション

自律移動ロボット「HOSPI」(パナソニック株式会社)。スマートフォンを使うことで、利用者のいる場所へ正確に呼び出せる。

IT&あかりで未来を照らす!「可視光通信」を使ったコミュニケーション

寿命が長く節電効果も高いLED照明。さまざまな色やタイプが登場し、すっかり主流のあかりとなりました。

今、このLEDを活用した通信技術「可視光通信」の実用化研究が着々と進められています。

2月に大阪で実施された公開実用化実験では、当社もシステム基盤の分野で参加。LEDとITを掛け合わせた「未来のあかり」についてレポートします!

可視光通信のサービス体験会が開催

施設案内スマホアプリ(株式会社サンウェル)

今年2月、大阪・南港のATCエイジレスセンターにて「可視光通信の公開実用化実験」が実施されました。

参加企業は全6社。施設内に2,3mの間隔でLED照明を整備したほか、可視光通信を活用したバラエティ豊かなサービスが出展されました。

例えば、AR(拡張現実)を活用した施設案内スマホアプリ(株式会社サンウェル)や、視覚障碍者向けの音声ナビゲーションシステム(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科)。また、ショッピング中に荷物を預かってくれる自律移動ロボット「HOSPI」(パナソニック株式会社)も登場。これらは期間中、誰でも体験可能な形で公開されました。

可視光通信なら高精度な位置特定が可能

可視光通信の大きなメリットは、屋内でも高い精度で位置情報を特定できること。

人工衛星を利用しているGPSは、屋内だと壁や屋根に遮られるため、正確な位置把握が困難という弱点があります。ですがLED照明を利用する可視光通信であれば、数十cm間隔で位置を特定することが可能。既にLED照明が設置されている場合は、インフラ整備も比較的容易です。

可視光通信についての説明

実用化実験リポート

クラウド型の位置特定システムで可視光通信の活用をサポート

クラウド型の位置特定システムで可視光通信の活用イメージ

この実用化実験へは当社もインフラの分野で参加。可視光通信をさまざまなアプリケーションで活用するために、位置特定システムをクラウドサービスとして提供しました。

スマートフォンで最初に受信する「PlaceID(場所の識別子)」は「18」など、LED照明にあらかじめ付与されている番号。これをインターネットを介してデータセンターへ送り「現在地はカフェ」「目的地まであと30m」などの位置情報へと変換するのです。

当社データセンターにITインフラ基盤を用意し、LED照明から発信されるPlaceIDとそれに紐付いた位置情報を、サーバ上で管理しました。利用者はデータの所在を気にせずにサービスを享受できます。

可視光通信をクラウドでサポートすれば、スマートフォンの機種を限定することもなく、また複数施設を横断する形での活用も実現可能性が高まります。

有識者に聞く!

位置情報ビジネスの可能性 ― ITに求められるもの

可視光通信の要となるのがLED照明光通信インフラ。これを担当したパナソニック株式会社 エコソリューションズ社 近藤氏に、位置情報ビジネスの可能性についてお聞きしました。

エコソリューションズ社 近藤氏

可視光通信は光による測位技術。電波を用いたGPSやWi-Fiと異なり物体に反射しないため、屋内でも高精度な測位が可能です。

屋外の位置情報を活用したビジネス展開が進んでいますが、人の生活の8割は屋内。可視光通信を使い、位置情報を屋外から屋内へとシームレスにつなぐことで、その可能性はさらに広がると期待されています。

近年、位置情報ビジネスが注目を浴びるようになってきた一番の要因は、個人の持つスマートフォンの普及。これに加え、すでに至る所に配置されている照明器具のインフラに、位置を特定するID発信機能を埋め込むことで、新たなサービスを生み出せる街が実現するのです。

ここで扱うのは「人(物)」「時間」「場所」の3要素が結びついた大量の情報。すなわちマーケティング分析をはじめとするビッグデータビジネスについても、ITとの連携を深めることにより、チャンスがすぐそこに現れようとしているのです。

あいえす☆うちのBOSS<ボス>

「今号のボス」技術開発部門 R&Dセンター シニアスペシャリスト 甲谷 龍二

部署の先輩/上司を後輩/部下から紹介してもらう新企画。第1弾はR&Dセンターのシニアスペシャリスト・甲谷龍二の登場。紹介者は入社3年目の福田将之です。

「R&Dセンターの業務は、試験研究(Research)とプログラミングのための枠組み構築(Development)です。甲谷さんは、当部署の中でも熟練の技術者。今や最もポピュラーなプログラミング言語・Javaも、甲谷さんは草創期から研究を続けてこられました。毎日相談するたび、その豊富なノウハウに圧倒されます」

甲谷さんのどんなところに憧れますか?「仕事の進め方もプログラミングも、常に4手5手先まで見越しているところ。またこれは先輩全員に感じることですが、妥協しない姿勢ですね」そう言って背筋を伸ばす彼、入社当時は「10年で甲谷さんを越える」と豪語したそう。「そばで働くようになり"10年"がどんどん遠のいていきました...。まずは、頼りになる片腕が目標です」

技術開発部門 R&Dセンター 福田 将之

部署内のアドバイスがいつも絶えないという、団結力ピカ一のR&Dセンター。システム開発の根幹を担う頼もしさを感じました!