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Vol.030 "我慢"から"攻め"へシフトチェンジ!「eneview」で見える省エネ戦略

2013年4月23日 「桜」
特集 : “我慢”から“攻め”へシフトチェンジ!「eneview」で見える省エネ戦略

桜

代表取締役社長 前川一博の写真

今年も当社では14名の新入社員を迎えることができました。新たなスタートを切った彼らの清々しさに「初心に返ってがんばろう」という気持ちが湧き上がってきます。折しも入社式当日、大阪の桜は満開。この花々のように咲き誇ってほしいと願わずにはいられませんでした。

桜を見て、何を思うか。美しさに感動を覚える人あり、儚さや寂しさを感じる人あり。置かれた環境や、人生経験によっても違うようです。これは「チャンス」と「リスク」の捉え方に少し似ている気がします。

ビジネスにおいて、挑戦の機会をリスクと捉えることは、ただ花を眺め散らせることと同じです。「いかに長く咲かせるか」、ここに知恵を絞り、トライする気概がビジネスという花を咲かせる一番の肥料です。一つ一つの白い花が集まって濃いピンクの桜となるように、小さな努力を積み重ねていけば、やがて桜の大樹のごとくビジネスも花開く。私はそう信じます。

新年度から新中期経営計画のもと、私たちも新たなスタートを切りました。満開に咲き誇る桜の大樹をめざした挑戦は、これからも続きます。

“我慢”から“攻め”へシフトチェンジ!「eneview」で見える省エネ戦略

電力・ガス量・湿度を見える化し、省エネとサービスの両立を支援

省エネ活動はもはや日常。みなさんの職場でもさまざまな改善活動に取り組まれたのではないでしょうか。

ただし、我慢を強いる節電では事業に支障をきたすこともあり、長続きしないのも事実。ムリのない「攻めの省エネ」へのシフトチェンジには、エネルギーの見える化が効果的です。

今号はパナソニックISの環境監視ソフトウェア「eneview」を使った見える化活動の実例に迫ります!

省エネ研究リポート

省エネとサービスの両立へ!(医療法人 敬英会様)

健康配慮が第一とされる介護福祉施設。当社は医療法人 敬英会様の施設をフィールドとして、利用者の快適性を保ちながら省エネを実現するための研究を進めています。

安全性・快適性を保ちながら関係者全員で省エネ推進

介護老人保健施設 つるまち
省エネ研究会にて定期的に分析・検討

医療法人 敬英会は大阪府・和歌山県に15の介護施設を運営。規模拡大に伴って膨らむ水道光熱費が課題となっていました。「利用者さまの安全性・快適性が第一。そのためコスト削減になかなか踏み込めず、ジレンマを抱えていました」と理事長の光山誠氏は語ります。

そこで浮上したのが「eneview」によるエネルギーの見える化。ムダを削減する取り組みとして、介護老人保健施設 つるまちでのエネルギー監視を、敬英会とパナソニックISが共同で立ち上げた省エネ研究会の協力のもとでスタートさせたのです。1階の共用部分を中心に全フロアの電力、ガス量、温度を計測。当社担当の分析をもとに、関係者全員で定期的な検討を行いました。

"小さな心がけ"で電気16%、ガス27%の削減に成功!サービス品質の向上効果も

事務室照明の使用状況を見える化し、改善

収集したデータをエリア単位、設備単位でグルーピングしグラフ化。その結果分かったのは、例えば「早朝から事務室の全照明が点いているので、営業開始時刻までは早朝出勤者の必要な箇所のみ点灯させる」「室温を逃がさないよう、窓・ドアの開閉を管理する」など、小さな心がけでムダを削減できるということでした。「データの裏付けがあるので現場スタッフへの説得力は抜群。安心して改善活動に取り組めました(光山氏)」。こうして検討を続けた結果、1年で電気使用量16%、ガス使用量27%の削減に成功(※)したのです。

こうした見える化による"気付き"は、省エネ活動にとどまらずサービス品質の向上にもつながりました。「現場スタッフの間で、利用者さまへの細やかな配慮が広がっていったのです。見える化のおかげで、従業員全員が当事者意識を持って行動できるようになった。これが最も嬉しい効果でしたね」と光山氏は笑顔を見せました。

※ 2011年6月~2012年5月の実績

施設改築の効果をデータ検証 ―これからの省エネ対策を考える材料に

介護老人保健施設 グリーンガーデン橋本

2012年4月からは立命館大学 医療経営研究センターの奥村氏も加わり、さらに経営面を深く掘り下げた省エネ研究を開始しました。今、敬英会では「eneview」を使った新しい取り組みにチャレンジしています。舞台は和歌山県の介護老人保健施設、グリーンガーデン橋本。築15年に差し掛かるこちらの施設は、省エネ対応のため改築工事中。LED照明への全面刷新や高効率空調機の導入など、大幅な設備強化が進められています。

「グリーンガーデン橋本では、工事開始の1年前となる2011年10月よりエネルギー監視を始めました。改築の前と後でエネルギー使用量のデータを比較すれば、どれだけの省エネ効果が得られたかを正確に検証できるはずです。効果の高いものについては他の施設でも適用を検討するなど、今後の省エネ対策を考える材料になると期待しています」とその狙いを語る光山氏。

立地条件や営業形態によってエネルギーの使われ方は微妙に異なるため、「将来的には全ての施設にeneviewを導入し、省エネだけでなくサービス品質の向上にも役立てたい」と意欲を見せました。

有識者に聞く!

エネルギー監視の役割とは?

働き方と設備の両面から省エネのアプローチを進めている今回の研究。
エネルギー監視の役割について、立命館大学 医療経営研究センター 研究員の奥村氏に詳しくお聞きしました。

立命館大学大学院 経営管理研究科 研究科長・教授 立命館大学 医療経営研究センター 研究員 奥村 陽一氏

今回のエネルギー監視で分かったことは、施設共用部の使用時間や空調の温度調節において省エネの大きな可能性があるということでした。そこで職員の皆さんも交え分析を深めると、働き方によってはエネルギー使用時間の短縮や電力使用量のピークカットにつながることが見えてきたのです。

仕事の仕方は、無意識のうちにクセ付けられているもの。見える化をきっかけにこれを工夫し、省エネ効果を検証して次の作戦へと活かしていく。このように「見える化」と「改善活動」が車の両輪として回り始めると、顕著な省エネ効果として現れてくるわけです。

東北地方のスーパーでは、新店舗オープンの際、冬の暖房費を節約するために風向きに背を向けて入り口を構えます。このように施設設計の段階からの事前管理として省エネ策を講じることが理想的。働き方と設備、つまりソフトとハードの両面において環境経営を促進する気付きを与えることが、エネルギー監視の重要な役割でしょう。

あいえす☆うちのBOSS<ボス>

「今号のボス」サービスビジネス本部 IDCサービス事業部 エキスパート 森一

実は10年以上仮想デスクトップソリューションに取り組んでいる当社。歴史がそうさせるのか(?)、担当者はなかなかの個性派揃いです。今回はその中の1人、IDCサービス事業部 エキスパートの森一が登場。この4月で入社3年目の花村康充が紹介してくれました。

「プロジェクトマネージャー(PM)である森さんを一言で表すと、本人が自称するとおり"マウスエンジニア"。とにかくよく喋る方です!」

なんと誕生日も血液型も同じだという2人。ちょうど20年先輩の森EPはどんな存在ですか?

「年齢差を感じさせない面白ネタの宝庫で、出会った当初は"社会人にもこんな人がいるのか"と衝撃を受けました(笑)。一緒に仕事をしていると、お客さまとの信頼関係の強さをいつも感じます。お客さまとひとつのチームになって目標へ進んでいく。機器調達時の交渉もお手の物です」

サービスビジネス本部 IDCサービス事業部 花村康充

"しゃべり力"を見習って、将来は森EPのようなPMを目指したいと語る彼。最近では、複数の仮想デスクトップシステムを組み合わせることもあるとか。「機器コストの削減やメンテナンス性の向上に有効なんです。お客さまの実現したいことに応じてご提案します」と教えてくれました。