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Vol.031  "垂直統合型"で立ち向かう!データ爆発時代のIT基盤、選択は「データベース統合」

2013年6月28日 「平常心」
特集 : “垂直統合型”で立ち向かう!データ爆発時代のIT基盤、選択は「データベース統合」

平常心

代表取締役社長 前川一博の写真

アベノミクスに沸いた春から一転、初夏から梅雨の時期には株価の乱高下が続きました。まるで実体経済の強さが本物か試されているかのようです。

一方、今年は梅雨とは名ばかりの天候が続き、梅雨入り宣言を撤回する動きがありました。ダムの貯水量不足も懸念されています。

もし「今」から何かを学ぶとすれば「どっしり構える」ことの重要性ではないでしょうか。株価が乱高下しようが、空梅雨だろうが土砂降りだろうが、一喜一憂していては本来大切なことを見失ってしまいます。

目をビジネスに転じれば、新しいチャレンジの芽が出てきた頃合いです。この若葉が大きく育つか、根腐れしてしまうのか。どうすることもできない天候に悩むより、雨よけをつけたり、土壌の水はけを良くしたり、考えられる手立てをしっかり打つことが太陽の光が降り注ぐ夏、ぐんぐん成長させるために必要です。

地道に継続すること、雰囲気にのまれないこと、気を抜かないこと。「今なすべきことをする」というビジネスに必要な気構えは、企業の発展、ひいては日本経済の成長にもつながると思うのです。

“垂直統合型”で立ち向かう!データ爆発時代のIT基盤、選択は「データベース統合」

パナソニックISの「データーベース統合」をご紹介!

企業を取り巻くデータ量は増え続ける一方。システムの処理能力が低下するごとに一時的な増強を繰り返し、限界を感じている方も多いのではないでしょうか?
実はパナソニックISでも、かつてこうした課題に直面していました。

待ったなしの状態でIT基盤の抜本的改革に迫られ、たどりついた答えは「データベース統合」。

今号はその取り組みについて詳しくご紹介します!

夜間バッチが終わらない!求められたのは"桁違い"の処理能力

パナソニックISが長年運用し続けているシステムは、製造業向け大規模基幹システムを中心に、関連会社やサプライヤー、販売網、そして海外拠点をカバーするものです。ここ数年で、これらのシステムにある変化が見え始めました。従来のBtoBからBtoBtoCをカバーするまでにシステムが拡張し、それに伴ってデータ量が150~200%にまで急増したのです。システム間の連携が複雑化したことで負荷も大きくなり、夜間バッチの処理時間やオンラインシステムのレスポンスに課題を抱えるようになりました。しかし、生産・物流を支えるシステムに止まることは許されません。時間との戦いの中、現状を打破する"桁違い"の解決策が求められていました。

バラバラに運用されていた8つの基幹システムの統合に挑戦

バラバラに運用されていた8つの基幹システムの統合に挑戦

既にサーバを中心とするITインフラ統合を完遂していたパナソニックIS。次に踏み込んだのが、データベースを核とするミドルウェアの統合でした。目をつけたのは、垂直統合型データベースマシン「Oracle Exadata」。設置してすぐに使える点と、ボトルネックになりやすいデータの入出力性能を格段に向上できる点が採用のポイントでした。掲げた目標は3つ。

  1. 急増するデータ量に対し、ハイパフォーマンスを確保すること
  2. システム運用を完全統合し、運用品質を改善すること
  3. 運用コストを合理化すること

これらを同時に実現することをめざし、個別最適に運用されていた8つの基幹システムの統合に挑戦。2011年春、検証をスタートさせたのです。

垂直統合型とは?

スペシャリストの視点

ハイエンドマシンにパナソニックISのノウハウをプラス

高性能マシンのポテンシャルを十二分に引き出すため、パナソニックISはデータベースの設計・運用まで一本化しました。
その工夫を、実際にデータベース統合に取り組んだ社員が語ります。

IDCサービス事業部 グループリーダー 片岡 光康

「Oracle Exadata」と言えど、基幹8システムの統合は決して楽ではありません。これまでは同じデータベースでもアプリケーションによって使い方が違ったり、使うデータベースのバージョンが違うなど、アプリケーションによって個別最適に設計されていたからです。

そこで今回、インフラ層・データベース層・アプリケーション層それぞれの知見を結集し、統合後の運用も見越しながら「Oracle Exadata」に最適のルールをつくりました。

まず、これまでは各アプリケーション担当が行っていたデータベース運用を、専任チームへ集約し、管理ルールを標準化。IT内部統制の観点からも、開発と運用の担当を分離させる必要があったのです。

また、アプリケーション開発の際は「Oracle Exadata」のマシンパワーに頼らず、適切な処理方式を考えて設計するようにルールを決めました。

パナソニックISはデータベースの設計・運用まで一本化

データベースサーバ22台を「Oracle Exadata」2台に集約、さらに運用工数を60%削減!パフォーマンスはもちろん、高い運用品質と合理化を同時に実現

データベース統合ソリューションの提供を開始

複雑に絡み合った個別最適のシステムをひとつずつ紐解き、1年間の検証を経て、本番環境への適用に乗り出したのが2012年4月。最終的には、データベースサーバ計22台を「Oracle Exadata」2台へ集約することができました。

このことにより、サーバ維持費用やデータベースソフト保守費用の著しい合理化に成功。

また、運用を専任チームが担当するようになったことで、月にのべ160時間かかっていた運用工数をのべ64時間にまで削減できたのです。運用品質もハイレベルをキープできるように。当初課題となっていたシステムのパフォーマンスについても、もちろん大幅に改善されました。

アプリケーション部隊も日々の運用業務から解放され、そのパフォーマンスを開発業務に向けて存分に発揮できるようになりました。

パナソニックISは古くから「アプリケーション開発・運用からIT基盤の選定・構築まで、自らの手で進める」というポリシーを貫いてきました。千差万別あるアプリケーション、そのパフォーマンスを最大化しつつ、インフラを標準化していくという地道な取り組み。これを通して蓄積してきたノウハウが、今回のデータベース統合でも十二分に活かされたのです。そして今回の統合もまた、その過程そのものが大きな財産となりました。

あいえす☆うちのBOSS<ボス>

「今号のボス」ESサポート本部 ES業務システム 運用センター 中部運用グループ グループマネージャー 永井 俊道

今回はパナソニックグループの『ものづくりの最前線』で活躍する、三重県は津事業所のグループマネージャー・永井俊道が登場。

紹介者は入社3年目の成田賢典です。

「中部運用Gでは、周辺工場のシステムの運用と活用支援を手がけています。購買管理・生産管理・資材管理などの幅広い業務をカバーするほか、新規システム開発も行います。」
永井GMは、これら拠点で展開される支援システムの運用を統括しているそう。

「永井さんからは、製造現場におけるコスト管理の厳しさと、それに対し明確な数字を示すことの重要性をいつも教えられています。0.1秒単位での製造時間短縮を行う現場の中で、システムが使えるかどうかはコストに大きく関わること。製造系の業務に精通している永井さんはまさに百戦錬磨!ユーザーさんと同じ、ものづくりのスピリットが根付いていると感じます」。

ESサポート本部 ES業務システム 運用センター 中部運用グループ 成田 賢典

「ユーザーさんの顔を毎日見られる」と語る彼。「同じ事業所にいらっしゃるので、とても距離感が近いです。現場のニーズをシステムに反映できるのは強みですし、私達の存在自体が拠り所になっているのかなと思うことも。今後も信頼を積み重ねていけたら」と、笑顔を見せてくれました。