2014年6月17日

立命館大学校友会RIMOにてeneviewに関する発表を実施いたしました

立命館大学校友会RIMO

開催日時:2014年6月15日(日)

開催場所:立命館大阪梅田キャンパス

立命館大学大学院 経営管理研究科の修了者、教職員、及び会員によって構成される"立命館大学校友会RIMO(Rits Master's Organization)"の総会が6月15日(日)に立命館大阪梅田キャンパスで行われ、社会保障研究会の中で当社のeneviewに関する研究取り組みの発表が行われました。

【発表内容】

介護施設での省エネ対策による経営改善~見える化でムダ発見と気づき~

講演者:パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社 スペシャリスト 木原 正人

イベントレポート

RIMO 社会保障研究会セッション
RIMO 社会保障研究会セッション

RIMOの総会では教授による講演や修了者による様々な発表が行われ、参加者の間で活発な意見交換がなされています。今年も延べ150名近くの修了者や教職員、会員が参加されました。

この中で行われた 社会保障研究会のセッションでは、後期高齢者の増加や、人口バランスの変化による生産年齢人口の減少、年金・医療・福祉などの分野で増大し続ける社会保障給付費の問題など、近年の社会保障のあり方について課題が提起されました。

パナソニックIS スペシャリスト 木原 正人
パナソニック インフォメーションシステムズ
スペシャリスト 木原 正人

この研究会の中で、当社社員で立命館大学大学院 経営管理研究科4期生でもある木原スペシャリストが、当社と立命館大学医療経営研究センターで進めてきた産学共同の研究テーマ、『介護施設での省エネ対策による経営改善』について発表を行いました。

前掲の課題の中で必要性が増しつつある介護施設において、経営における“サービスの質向上”とともに“健全なコスト管理”は重要なテーマとなってきています。また、省エネ法の改正や東日本大震災を機に求められる節電の要求について、介護施設も対応を迫られる時代になりつつあります。

省エネ改善見える化ループ
省エネ改善「見える化」ループ
(遠藤功氏『見える化~強い企業を作る「見える」仕組み』より
 計画達成PDCAのDoの見える化で展開)

しかし、介護施設ではご利用者の健康や快適性を最優先にする必要があるため、一律に節電を推し進めることはできません。また、省エネに取り組んだ結果が見えにくく、取り組みへの動機付けや削減に向けた投資判断が難しいという問題をはらんでいます。

この研究テーマでは、当社のエネルギーマネジメントシステム“eneview”を医療法人敬英会様の介護施設に導入し、電力やガスの使用量、室内温度などを“見せる化”することで、

  1. 定量的データに基づく“気づき”による省エネ活動の推進
  2.  改善効果を“見える化”し、コストパフォーマンスを計測
  3.  温度などの環境データに基づく“サービス向上”の実現

に繋げることができるかを検証しました。


医療法人敬英会様 導入事例

“eneview”は、全体の使用量計測だけでなく、フロアごとや空調・照明などの設備ごとなど、様々な切り口で詳細な使用量を自動計測することができます。この結果をレポートなどで“見せる化”することにより、業務に携わる関係者全員で使用状況を共有できるため、業務の見直しまで含めた削減の検討・実践が可能となりました。

また、産学連携で実現した“省エネ改善研究会”による外部からの客観的なアドバイスも得ることで、敬英会様の施設では電力やガスの使用量を20%以上も削減することができたのです。

今後は、活動の定着化や複数拠点への拡大を進めるとともに、同じ省エネの問題に直面する業界全体に対し、一つの成功事例として積極的な普及活動を進めていくことが示されました。

【業務・設定見直しの例】

利用者がいない時間帯の空調や、利用者にとっては低い温度設定、扉や窓の開閉による空調のムラに“気づき”、設定の見直しと空調ムラの改善に取り組んだ

【設備見直しの例】

当初は全灯をLED照明に更新予定だったが、照明の使用頻度を測定し、更新コストと見合う省エネが実現できる、使用頻度の高い場所のみLED照明に更新した

 



立命館大学 奥村教授
立命館大学大学院 経営管理研究科研究科長 奥村 陽一 教授
※撮影は2013年2月

発表終了後、産学共同研究の研究座長である奥村教授(立命館大学大学院 経営管理研究科研究科長)にお話を伺いました。奥村教授によると、“見せる化”は利用者の立場に立った環境や施設運営の見直す軸になるとのこと。

「介護施設や病院では利用者の健康が第一であり、その中でどれだけ電力などのコントロールを行えるかは“見せる化”に基づく情報が必要不可欠です。さらに、持続可能で最大限の省エネ効果を発揮するためには、ファシリティのあり方も重要であり、そのリニューアルなどの出発点として環境や条件、コントロールできる範囲を事前に管理できることには大きな意味があります。今回の産学連携において、施設・設備の関係者や研究者が連携して改善の切り口を見出せた成果は大きかったと思います。」と活動を評価されました。

取材後記

東日本大震災以降、様々な場面で省エネ対策が求められています。医療機関や介護施設も例外ではない...と言いつつ、多少の我慢が許されるオフィスビルなどと異なり、生活環境の維持が必要であるため、削減は難しいのではないかと感じていました。今回、電力使用量などの数値化による"見せる化"と、現場と外部の有識者による検討により、施設運営まで踏み込んだ利用者視点での削減に繋がったことは大きな成果であると思います。

今後も日本では少子高齢化が進むと考えられており、福祉分野の重要性はさらに増していきます。その核とも言える介護施設の価値向上に対して、当社はこれからも貢献を続けてまいります。

取材記者:大井 レポート制作日:2014年6月16日

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