導入事例

サンライズ株式会社 GRANDITを導入~個別最適から脱却し、データ一元管理を実現

サンライズ株式会社様(以下、サンライズ)では基幹システムとして親会社であるコニシ株式会社様(以下、コニシ)と共通のオフィスコンピュータ(オフコン)を利用していました。ところがコニシが新ERPへ移行したことに伴い、旧来のオフコンは廃止されることに。オフコンが使えなくなる2015年3月まで、とデッドラインが切られた中、身の丈に合う新・基幹システムとしてお選びいただいたのがERPパッケージ「GRANDIT」でした。

お客様データ

製造業

サンライズ株式会社

大阪府大阪市

サンライズ株式会社様は2016年で創業50周年を迎える老舗化学メーカー。木工用ボンドでおなじみのコニシ株式会社様を親会社に持ち、建材、自動車、光学レンズなど用途に応じた高品質な接着剤を提供しています。

導入ソリューション・導入商品

1.限られた期間内にシステム移行を完遂させなければならない。

基幹システムの廃止が2年後に決定。新システムへの移行が必達事項に。

2.個別最適のシステムから脱却したい。

個別最適から全体最適のシステムへ。それも、低コストかつスムーズに導入したい。

取締役 総務本部 本部長
プロジェクト責任者
瀬川 耕平 氏

きっかけは親会社の基幹システム全面切替

サンライズが基幹システムの刷新を検討し始めたのは、プロジェクトが正式にスタートする9ヶ月前の2013年5月。親会社のコニシと共同利用していたオフコンが、コニシの新ERPへの全面切替に伴い廃止されることとなったのです。廃止予定日の2015年3月末までに必ずシステム移行を完了させる必要がありました。

「身の丈に合った規模で、なおかつオールインワンのパッケージ製品を探していました」と取締役 総務本部 本部長の瀬川 耕平氏は語ります。「基幹業務を網羅したオールインワンならシステム連携なしで導入でき、費用も最小限に抑えられるだろうと考えました」(瀬川氏)。数社からの提案を比較検討した結果、唯一すべての業務を包含していたのが「GRANDIT」でした。

“コンソーシアム方式”のGRANDITで業務標準化を狙う

ERP導入で重要となる「FIT & GAP」ですが、サンライズではシステムに業務を合わせる「ノン・カスタマイズ」を基本方針としました。

「GRANDITは複数社がそれぞれのノウハウを持ち寄る“コンソーシアム方式”で開発されているので、世間一般のスタンダードな考え方が反映されていると考えました。これに従えば業務の標準化につながるだろうと。ただしシステムが原因でお客さまにご迷惑を掛けることは決してあってはなりませんので、必要な箇所にはカスタマイズを施すことにしました」(瀬川氏)。

こうして同業種・同規模企業への導入実績があったパナソニック インフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)へ構築をお任せいただき、2014年2月7日に導入プロジェクトがキックオフしたのです。

FIT & GAP:導入企業のビジネスプランやニーズと、システムの機能性がどれだけ適合(フィット)し、どれだけ乖離(ギャップ)が生じるかを分析すること。

1.オールインワンのシステムを導入し、データの一元管理が可能に!

GRANDITを導入することにより、販売・債権債務・会計・生産管理システムのデータの一元管理が可能に。バラバラだったシステムが統合されることにより、業務の効率化が実現!

2.二重入力の手間が解消!

シームレスなシステム連携により、データ入力が一度で済むように。月次決算の際に行っていた会計伝票入力作業が不要になり、ミスもなくなった!

総務部 統括部長
プロジェクトリーダー
原田 浩知 氏

親会社の新ERP導入経験が指針に

コニシのIT企画推進部の方の参画により、導入プロジェクトは新ERP導入時の経験を活かして推し進められました。その推進体制を、総務本部 統括部長の原田 浩知氏は次のように振り返ります。

「WBS(作業分解図)を立ち上げ、各フェーズでの検討事項、課題、スケジュールをメンバー全員で共有し進めていきました。非常に多くのアドバイスを受けたおかげで、道に迷うことはなかったです」。

仕様変更発生。パナソニックISのSEが現場力を発揮

しかし、こうして導入を進めるさなか、大きな変更が2点発生しました。マスタデータ管理の都合上、原価管理のしくみに修正を加えざるを得なくなったのです。さらに、コニシの物流管理システムと連携する必要が出てきたため、物流管理システムとその連携部分を追加開発することになりました。

タイムリミットがあと10ヶ月後に迫る中、パナソニックISは開発現場へ追加のSEを投入。工場と本社に張り付く体制をとりました。
「工場担当のSEさんが工場の業務に精通していたのが助かりました。パナソニックの工場のシステム開発経験がある人だったので、生産業務も販売業務も話が通じたんです」と、原田氏はパナソニックISの「現場力」を評価します。

会社の協力を得ながら無事サービスイン

会社側の全面協力もありました。教育フェーズに入った2015年1月、瀬川氏は従業員の方々へこんな話をしたといいます。「『我々が選んだシステムなのだから、我々の力で使いこなそう』と。皆前向きに受け止めて懸命に操作練習をしてくれました。これには大変支えられましたね」。万一の事態に備えて稼働日の前日・前々日は生産ラインを止めてほしいというお願いも、工場は快諾。結果、大きなトラブルもなく、2015年4月1日にシステム本稼働を迎えることができました。

データの一元管理が可能に!二重入力の手間も解消

【 システム構成図 】

サービスインから1年余りが経ち、すっかり手になじんだシステムとしてお使いいただいているGRANDIT。
オフコン時代と比べ特に良くなったのは、販売・会計・生産の連携が良くなり、作業効率が上がった点だといいます。
マスタについても従来は別々の仕組みだったため、不整合や不備といった問題がありましたが、これもデータ一元化により解消されました。
また、従来はオフコンの専用機とパソコンの間でデータ連携ができず、同じ情報を二重入力しなければならなかったそうですが、今回の刷新でこの手間が解消されたといいます。会計仕訳についてもGRANDIT内でシームレスに連携されるため、月次決算の際に行っていた会計伝票入力作業が不要になり、ミスもなくなりました。

「何より、大きな変更が2つもあったにもかかわらず納期に間に合わせることができたのは非常にありがたいことです。コニシの新ERP導入ノウハウと社内の姿勢、そしてパナソニックISの懸命な対応がなければ成し遂げられませんでした」(瀬川氏)。

エンタープライズソリューション事業部 基幹インテグレーション部 川井 哲也 販売、経理から生産までの「ビッグバン導入」という非常に難易度の高いプロジェクトでしたが、「コニシ様にご支援を頂けた事」、「お客様に主体的に取り組んで頂けた事」で無事サービスインできました。
特に運用テスト後、本番稼動に向けてユーザ様が主体的にトレーニングを実施されるというのは、基幹システム導入に携わってきた中で初めての経験でした。現在も生産管理業務改善、BIツール導入など新たなテーマに取り組んでおり、今後もシステムを通じてお客様のビジネスに貢献してい きます。

取材:2016年5月31日

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