導入事例

エスペック株式会社 フィールド業務支援システムを導入~本部から状況が見え、お客様への対応力を強化

エスペック株式会社(以下、エスペック)は国内15拠点による充実のアフターサポート体制を敷いていますが、それぞれの修理案件にフィールドエンジニアを割り当てるディスパッチ業務は拠点ごとに紙台帳で行われており、本部から状況を把握しづらくなっていました。このため、同社は「見える化」と「共有」をキーワードにシステム化を決断。パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)のフィールド業務支援システム「eSmileFeSS」を導入し、お客様対応状況の見える化と売上予測の精度向上を実現されました。

お客様データ

サービス業

エスペック株式会社

大阪府大阪市

エスペック株式会社は、温度や湿度などの環境因子を再現し、製品の信頼性を確保する「環境試験器」のトップブランド。スマートフォンやエコカー、医薬品から航空機まで、開発・製造工程で使用されており、世界の最先端技術の発展を支えています。

導入ソリューション・導入商品

1.スピーディなお客様対応ができているのかを把握したい

修理日程調整は拠点ごとに紙台帳で行われており、スピーディに対応できているのかが本部から見えなかった。
顧客満足度向上のため、日程連絡の未了/完了を把握できるようにしたい。

2.修理案件の売上がいつ上がるのかを見える化したい

従来の紙台帳による日程調整では、日程が確定しても台帳になかなか記載されず売上月が不透明になっていた。
これを見える化し、適切な経営判断につなげたい。

エスペック株式会社
AS本部 サービス推進部長
大原 智宏 氏

各拠点のお客様対応状況が見えない

環境試験器のトップブランド企業であるエスペックにとって、アフターサポートは顧客満足度を高めるために欠かせない活動。総勢120名のフィールドエンジニア(FE)が国内15拠点で修理・メンテナンスを行っていますが、管理者によるディスパッチ(FEの割り当て)は拠点ごとに紙台帳で管理されており、「見えない」「共有できない」ことによる課題を多く抱えていました。AS本部 サービス推進部長の大原智宏氏は次のように振り返ります。

従来の紙台帳イメージ

「お客様から修理依頼を受けた段階で紙台帳に修理予定月を記入し、その後、お客様へ一次連絡をしたタイミング、日程が決まったタイミング、修理料金の売上伝票を処理したタイミングで印を付けるといった運用を拠点ごとに行っていました。ディスパッチは各拠点の管理者が担当していますが、フィールド業務が忙しくなるとどうしてもお客様への連絡が滞ってしまう実情がありました。毎年の顧客満足度調査でもそのような声が寄せられていたものの、紙台帳では本部でリアルタイムに状況を把握することが難しかったのです」。

計画通りに売上計上できるのか?

また、「見えない」ことは経営面にも影響を及ぼしていました。紙台帳で修理案件の数は見えていても、その売上がいつ上がるのかがわからなかったのです。「現場の管理者からすると、確定した修理日程をひとつひとつ紙台帳に記入するのは手間。本部としても管理のためだけにその労力を強いることはできなかったので、結果として売上予測が立てにくくなっていたのです」(大原氏)。

工程管理機能に特化したeSmileFeSSを採用

現場にとっても経営にとっても「見える化」「共有」は必須。こうして同社はディスパッチのシステム化を決断したのです。

工程管理機能だけに特化しており導入が容易な点と、マウス操作だけで簡単にディスパッチできる点をご評価いただき、パナソニックISのフィールド業務支援システム「eSmileFeSS」をご採用いただきました。

1.アフターサポートの各案件の流れが本部からも見えるようになった!

修理日程が確定したか、修理作業が完了したかなどの状況がeSmileFeSSにより見える化。
本部からすぐに確認できるようになり、現場側の報告業務の負担が軽減された!

2.売上予測が容易になり、より正確な経営管理を行えるようになった!

eSmileFeSSと基幹システムの連携により、修理作業の完了と連動して確実に売上処理を行えるようになった。
売上予測の精度が上がり、明確な指標にもとづいた経営管理が可能に!

エスペック株式会社
AS本部 サービス推進部
サービス企画グループ マネージャー
細見 昭浩 氏

柔軟なカスタマイズ対応に安心感

システム導入にあたっては、基幹システムとの連携にこだわったとAS本部 サービス推進部 サービス企画グループ マネージャーの細見昭浩氏は語ります。

「産業機器のアフターサポートは買い替えよりも修理・部品交換が圧倒的に多いです。FEの空きだけでなく部品がいつ揃うかもわからないと予定は組めないので、基幹システム内の部品情報と連携できるようにカスタマイイズしてもらいました。パッケージですからあまりカスタマイズできないのではと思っていましたが、パナソニックISはこちらの要望を聞き入れて柔軟に対応してくれたので、非常に安心感がありました」。

運用開始当初は反発が起こるも、徐々に浸透

わずか3ヶ月の構築期間を経て、2018年7月にサービスイン。運用開始当初は拠点管理者からの反発もあったそうですが、細見氏にとっては想定の範囲内だったといいます。「操作だけで言えば、長年のやり方が突然変わるのだから拒絶されるのは当たり前です。ですがトータル的に業務が軽くなるようなしくみなので、2,3ヶ月経つと『なんだか便利になった』という声が聞こえてきました」(細見氏)。

本部から状況が見えるように!

まずは、これまで見えていなかった全体的な工程の流れが見えるようになりました。「修理の仮予定が確定したかだとか、修理作業が完了したかというような状況が本部からも確認できるようになりました。現場としても逐一報告する必要がなくなったので、業務負担はかなり減ったと思います」(大原氏)。さらに、FEのスケジュールも見えるようになったため、現場の忙しさも本部で把握できるように。働き方改革に向けた業務見える化にも効果がありました。

売上予測の精度もアップ

また、eSmileFeSSと基幹システムをカスタマイズで連携させたことで、売上処理の完了もシステム上で確認できるようになりました。

「従来は頻繁に転記漏れが発生しており、そのたびに修理カルテや売上伝票を探していましたが、今回のシステム化によりこのような確認業務もなくなりました。今どこまで修理のスケジュールが確定しているのか、それによって売上見込みが見えてきますから、より正確な経営管理を行えるようになりました。決算の3月にこの効果が数値として表れると期待しています」(大原氏)。


eSmileFeSSのディスパッチ画面

改善効果をお客様満足度向上につなげたい

今回eSmileFeSSで得られた改善効果を、ゆくゆくはお客様満足度向上にもつなげたいと大原氏は語ります。

「当社内業務の効率化・改善だけではまだ不十分で、これによってお客様の設備停止期間を短縮させることで、お客様にも改善を感じていただけるように発展させていきたいですね。今後もシステム導入などを積極的に行い、ディスパッチなど各拠点に分散している機能を集約・整流化することで、属人的になりがちなアフターサービス業務のさらなる効率化を図りたいと考えています」。

エンタープライズソリューション事業部 基幹システムソリューション部出世 昌宏プロジェクトメンバー皆様のeSmileFeSSへのご理解と積極的なアイデア提供のおかげで、業務にフィットしたシステムを形作ることができました。短期間ながら一体感のあるプロジェクトであったと感じております。

本番運用を開始してまだ4ヶ月程度ですが、実際に業務改革の効果が出始めたとのことで一安心です。

引き続きご支援を続けるとともに、ディスパッチ集約など今後の展開にも更なるお役立ちができればと考えております。

取材:2018年11月6日

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