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Vol.039 太陽光発電普及の起爆剤にも!「新電力」を支える基幹システムとは

2014年10月29日 果敢に挑む
特集 : 太陽光発電普及の起爆剤にも!「新電力」を支える基幹システムとは

果敢に挑む

代表取締役社長 前川一博の写真

青色LEDを発明、実用化に貢献したとして日本の研究者3名が今年のノーベル物理学賞を共同受賞することが決まりました。20世紀中の実現は不可能とまで言われた青色LED。

研究者の間ではあまり注目されていなかった窒化ガリウムという素材を用いて青い光を出すのに欠かせない高品質な結晶が作り出され、さらにはこの成果を発展させ量産化への道が切り拓かれたことで、私たちを取り巻く光の世界は大きく変わりました。

このことは、たとえ誰も行かぬ長い道のりだったとしても一喜一憂せず果敢に挑むことが成功への一本道なのだと再認識するきっかけとなりました。

目立つもの、注目されているものだけがお役立ちにつながるわけではありません。少し視点を変えるだけで新しいお役立ちの種を生み出せることがあります。

ピンチも見方、考え方次第でチャンスになります。当社も「新」への挑戦によって生まれ、培ってきたITソリューションやITサービスを駆使して、お客さまのビジネスが明るく輝くためのお手伝いができれば、これ以上の喜びはありません。

太陽光発電普及の起爆剤にも!「新電力」を支える基幹システムとは

太陽光発電普及の起爆剤にも!「新電力」を支える基幹システムとは

2016年を目処に予定されている「電力小売自由化」に向け、さまざまな企業が電力小売市場への参入を表明しています。

パナソニックではこれに先駆けて(株)エプコと合弁会社を設立し、「家庭用太陽光発電アグリゲーション事業」をスタート。パナソニックISはこの新事業をIT面でサポートしています。

アグリゲーション事業とは? 新電力の支援システムに欠かせないものは何なのか? 詳しくお伝えします!

7.5兆円もの巨大な新市場が開放

今年6月に改正電気事業法が成立し、2016年から電力小売市場が開放されることとなりました。市場規模はなんと7.5兆円。国内携帯電話市場の

約7兆円に匹敵します。今、この「電力小売自由化」に向けて、新規参入の動きが活発になっています。

パナソニックグループでは、パナソニック(株) エコソリューションズ社が住宅設備コンサルティング会社のエプコと合弁会社「パナソニック・エプコ エナジーサービス」を設立。現行制度でも実施可能な事業として、太陽光発電システム設置住宅から電力を集め、新電力(PPS:特定規模電気事業者)などへ販売するという「家庭用太陽光発電アグリゲーション事業」をスタートしました。これはメガソーラーなどの電力買取とは大きく異なる、国内外でも他に例を見ない事業と言われています。

パナソニックISも電力事業をサポート

この新事業に、パナソニックISもITの面から関わっています。パナソニック・エプコ エナジーサービスの基幹システムを構築し、アグリゲーション事業に欠かせない発電者情報管理や売電量の計算などを中心とした幅広い業務を処理するシステム構築をサポートしています。電力小売自由化後には、家庭向け電力関連サービス事業として、家庭の需要家へのさまざまなサービス提供も検討しているパナソニック・エプコエナジーサービス。

パナソニックISも、これから新たに開かれようとしている電力市場のビジネスを支えていきます。

パナソニックISも電力事業をサポート

「電力小売自由化」でどう変わる?

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一般家庭向け電力市場はこれまで、大手電力会社(一般電気事業者)が地域ごとに独占してきました。これが電力小売自由化により他の民間企業にも解禁されると、消費者が既存の電力会社だけでなく新電力も含めて、どこから電力を 買うかを自由に選べるようになります。

通信やネット通販、住宅など、多様な業種から参入が相次いでいるため、電気料金メニューも幅広い選択肢から選べることとなります。例えば携帯電話代などとのセット割引や、「昼は高いが夜は安い」プランなどが登場する見込みです。

キーマンに聞く!

新事業に「希望」を乗せて─新電力がITに求めるものとは

パナソニック・エプコ エナジーサービス 常務取締役 鳥居氏に、事業スタートのきっかけと基幹システムの役割についてお聞きしました。

パナソニック(株) エコソリューションズ社では「2018年度住宅事業2兆円」の売上目標を掲げ、商品・設備だけでなくサービスも含めてお客さまに色々な価値をご提供しようとしています。

今回の家庭向けアグリゲーション事業を始めたのは、制度が大きく変わろうとしている今、住宅サービスのメニューに電力サービスを盛り込むことで、これが住宅事業の提案のプラットフォームになると考えたからです。エコソリューションズ社は住宅エネマネ事業を強みとしていますから、太陽光パネルや蓄電池といった創エネ・蓄エネ製品の提案・販売において今回のサービスが活きてくると考えています。 2014年1月に新会社を設立、事業を開始しました。まずは東京電力・中部電力管内でスタートし、今後もその他の電力会社管内へ拡大していこうとしています。

しかし、今は制度改革の過渡期。制度設計ができあがっていない中で、まだ他社が踏み入れていない家庭向けの領域での、業務フローの確立に試行錯誤しています。業務処理がひとつひとつ複雑で、しかも電力会社によって微妙に異なる処理内容を、どのように標準化し効率化につなげるか。そういった意味で、基幹システムはこの事業のキーになります。新事業ですので、イレギュラーな出来事も多く、まだまだ手探りの状況。

システム構築途中に要件が、がらっと変わることもあるのですが、パナソニックISはまるで当社の一員であるかのように一緒にシステムの構築に関わってくれています。この基幹システムには、スペイン語で夢や希望を意味する"ESPERANZA(エスペランサ)"という名前が付いています。事業成功のカギを握るシステムですから、パナソニックグループとしてパナソニックISと一緒にこの「希望」を形作っていきたいと考えています。

担当者が語る

迅速なシステム開発で新規ビジネスをサポート

従来とは異なる手法で取り組んだ今回のシステム開発について、当社の開発担当者にインタビューしました。

当社の開発担当者

今回の「家庭用太陽光発電アグリゲーション事業」はまったくの新規ビジネスのため、最初に完璧な要件定義を行う従来のシステム開発とは異なり、簡単な支援システムを作ってから徐々に進化させていくという形をとりました。

まずは契約情報の管理や売電量の管理など、優先度の高い重要機能から。これらの大枠は、当社の開発フレームワークを活用して構築しました。また、要件が曖昧な部分については、こちらから業務フローの提案を行うこともありました。

今回の開発手法の性質上、事業が走り始めてから業務とシステムとの間にギャップを見つけることも少なからずありましたが、パナソニック・エプコ エナジーサービス様のご理解のおかげでここまでうまく進めてこれました。業務上の悩みや新たな課題を常に話していた だけるため、現場の声を素早くシステムに反映できています。

電力小売自由化というビジネスチャンスをお客様が存分に活かせるよう、これからもスピード感と柔軟性をもってさらなるご支援を続けていきたいと思います。

あいえす☆うちのBOSS<ボス>

「今号のボス」西日本ソリューション営業部 西日本営業所 エキスパート 川本清志

今回は、親子ほどの年の差がある西日本営業所の2人を取材。エキスパートの川本清志を、当社最年少営業の入社4年目・高原啓悟が紹介してくれました。

「川本さん率いるチームではアプリケーション商材を軸とした営業活動を行っており、私は主にERP『GRANDIT』の営業を担当しています。川本さんとはぶつかり合って議論することが多いです。時には大激論に発展することもありますが、翌日にはお互いケロッとしています(笑)」。

腹を割って話せるので仕事がしやすいと話す彼。川本EPの背中から、日々多くのことを学んでいるそうです。

「営業活動では、お客さまの立場に立って考えることの難しさをいつも痛感していますが、川本さんは、この『お客さま視点』を体現されているんです。お客さまが最短ルートで目的に辿り着けるように、先を見越して行動される。その姿を見て、自分はまだまだついて行けるレベルに達していないなと感じます。川本さんからご指導をいだただく際には『お前やったら分かってると思うけど』と口癖のように言われますが...結構、プレッシャーです」。

ERP提案で重要となる経営の視点を磨くため、最近は中小企業診断士の資格取得に向け勉強中とのこと。「試験を控えご無沙汰ですが、終わったら川本さんと飲みに行きたいです」とにこやかな顔を見せてくれました。

営業本部 西日本ソリューション営業部 西日本営業所 高原 啓悟

本ページは、当社が発刊しております「IS CLOSE UP」を基にWEB用に抜粋した内容で作成しております。
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