2022年7月20日導入事例

導入事例 栗田工業株式会社様

テレワークソリューション

利用者に寄り添った使いやすいVDIへ刷新し
働き方改革、DX実現に向けた盤石なインフラを確立

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ここがポイント
  • VDIとハイスペックPC、双方の長所を生かし、高速起動と操作性の向上を実現
  • VMware Workspace ONEを活用することで、業務アプリケーションに素早くアクセス
  • パナソニックISの高いプロジェクト管理能力により、コロナ禍でのリプレースを確実に実施

VDI運用における課題

  • 4,5分かかることもあり、起動が遅い
  • オンライン会議・eラーニングなどの動画や音声に不満
  • VDIとローカルをまたいだアプリの併用が面倒

このように解決

  • VDIとハイスペックPCを併用し、起動時間を大幅に短縮
  • VDIとハイスペックPCを併用し、動画もスムーズに
  • Workspace ONEをポータルとし、シームレスに併用

持続的な成長を目指して、デジタルを駆使した業務プロセスの変革、クラウド推進、DXに取り組んでいる栗田工業。

以前から活用していた仮想デスクトップ(以下、VDI)に、起動が遅い、オンライン会議に支障が出るという問題が生じ、2020年にVMware HorizonとVMware Workspace ONEへのリプレースを実施しました。

その結果、日常業務がスムーズに進み、システムの運用管理の負担も軽減できました。

持続的な成長を目指してデジタルを強化

栗田工業株式会社
デジタル戦略本部
DX企画部
ネットワーク課
木下 和彦 氏

自然環境の保全、多種多様な産業、生活インフラ、医療などに欠かせない、水処理技術。栗田工業は「持続可能な社会の実現に貢献する『水と環境の独創的価値の創造者』」を企業ビジョンとして、半導体製造などに用いられる超純水や製品の原料水などをつくる水処理装置の製造、販売、メンテナンス・サービスなど、「水と環境」に関わる事業を約70年以上にわたり展開してきました。

今後のさらなる企業成長のため、同社が現在注力しているのがデジタル活用です。デジタル戦略本部 DX企画部 ネットワーク課 木下 和彦氏は「CRMやERPの強化はもちろん、組織を横断して連携を取るための業務プロセスの変革、働き方改革、クラウドファースト、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいる最中にあります」と語ります。これらの実現には、業務システムを自宅や外出先から利用するといった多様化する働き方に対応したインフラ環境の整備が不可欠であり、VDI刷新はその手段のひとつでした。

旧VDIに「起動が遅い」「動画や音声が苦手」という問題が発生

栗田工業のVDIの利用は早く、十数年前に別のVDI製品を導入し、数回のバージョンアップを経ながら利用していました。ユーザー数はすでに5000人を超えます。

ただ、旧VDIでは大きな問題がありました。ひとつはVDIの起動に時間がかかるようになったことです。これはVDI上で稼働するアプリケーションの高性能化に伴う、ユーザプロファイルの容量増加やターミナルサーバのリソース不足が原因でした。結果、起動時間が4,5分程度かかるようになり、ユーザビリティを低下させていました。

もうひとつは、動画や音声の処理を不得手としていたことです。オンライン会議や動画を使ったeラーニングを増やしていたこともあり、利用者から不満も聞こえていました。

「当社ではスペックの高いPCを利用していたので、解決のためにハイスペックPCを有効活用できないかと考えました。つまり動画やOfficeなどはPCのローカルリソース、業務アプリケーションはVDIというように、それぞれの得意領域を生かす最適な使い方をして、業務を効率化できないかと検討し始めました」

Workspace ONEをポータルとして活用し、使い勝手の向上へ

2018年ごろ、栗田工業が相談を持ち掛けたのが、旧VDIシステムを構築したパナソニック インフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)でした。当初はVDIの製品を変更せずにバージョンアップでの対処も想定していました。しかし途中で、VMware社が提供する「VMware Horizon」へのリプレースも検討に加えました。そこには、ポータル機能を持ったオプション製品「VMware Workspace ONE」を活用したいという意向もあったと木下氏は述べます。

「VMware HorizonとVMware Workspace ONEをセットで導入すれば、使い勝手や拡張性が向上するだけでなく、セキュリティも高く、今までできなかったマルチデバイスにも対応できます。そのことが、『VDI製品の切り替え』に踏み切る大きな要因になりました」

また栗田工業では、別の社内システムでストレージ仮想化ソフトウェア「VMware vSAN」を利用していました。VDIもすべてVMware製品で揃えれば、管理も効率化でき、負荷軽減、コスト抑制という利点も期待できました。

製品の切り替えについて相談してみるとパナソニックISはVMware製品についても多くの実績とノウハウを持っていることがわかりました。そのうえでパナソニックISはVMwareの最新の機能やプロトコルなどを検証し、「元々評価の高かった既存のVDIのクオリティと同等のレベルを維持しつつ、ライセンスフィーなど約2割のコスト削減が見込める」と回答。これにより、VMwareへのリプレースが決定しました。

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コロナ禍での新システム構築

決定後、2019年にアプリケーションの互換性とユーザーインターフェースを確認するPoCを終えました。そして、2020年1月には本番稼働が開始される予定でしたが、それを阻んだのが、2020年初めに感染拡大が始まった新型コロナウイルスです。これにより本番稼働は9月に延期されることになりましたが、そこには予期せぬメリットもありました。栗田工業の有する膨大な数の独自アプリケーションの改修作業に、十分な時間と労力を注ぐことができたのです。その間のやりとりで木下氏は、パナソニックISのプロジェクト管理能力を改めて評価したといいます。

パナソニックISはプロジェクト全体を把握しているので、いつも次のステップが明確でした。リスケが生じたときも、翌日には新しいスケジュールを提示してくれましたし、課題が発生した際の対応も迅速でした。他のベンダーなら検証作業を行い、確信を持ってからのアクションになるような問題も、パナソニックISはアクションが早いのでありがたいと感じていました」

高速起動、スマートデバイス対応で業務効率化

新VDIが本番稼働を始めて、利用者にとってもっとも大きなメリットは前述した起動時間、操作性でした。第一の課題であった起動時間は、20秒程度に収まるほど大幅に短縮しました。ローカルアプリケーションとVDI上のアプリケーションの切り替えもスムーズになった点も、現場からは評価する声が上がっています。

「以前はVDIのウィンドウがモニター画面のすべてを覆ってしまいましたが、VMware Workspace ONEを使うとVDIとローカルのアプリケーションのウィンドウを並べて操作でき、シームレスに併用しやすくなりましたので、利用者の満足度は間違いなく上がっています

アプリケーションの検索性も高まりました。VDIでは100個ほどの独自アプリケーションを活用していますが、以前は画面上にそれらのアイコンが大量に並び、一覧から目的のアプリケーションを探し出す手間が必要でした。それがVMware Workspace ONEをポータルとして利用することで、簡単に検索できるようになったり、よく使うアプリケーションを登録できるようになりました。さらにマルチデバイス対応となり、スマートデバイスでの使い勝手が向上したのです。

「出先でも決裁系のツールを利用したいという従業員からは評判が良いようです」

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VMware Workspace ONEの利用画面

システム運用の面では、リンククローンの活用により、イメージファイルの管理負担が大幅に減りました。旧VDIでは、全ユーザーの環境それぞれに適用する必要があったのですが、いまは1個のマスターイメージを作るだけで、自動的に全ユーザー環境にコピーされます。アプリケーションのインストールはもちろん、セキュリティパッチなども、マスターイメージで更新するだけですべてに適用されます。

利用者に寄り添ったシステム構築を一緒に模索

これまでのVDI更改では後継製品へと移してきたこともあり、大きな変化はなかったのですが、今回は製品の入れ替えだけでなく、それに応じた新環境を構築しため、さまざまなところに変更がありました。その点について木下氏は「今回のプロジェクトに、大きく変わり『すぎた』という印象を持っています。それでも問題なく移行できたのはパナソニックISの力によるところが大きい」と振り返ります。

「製品が変わる際には、利用者の使い方にも変化が生じます。そのため、以前のシステムに劣ることのない操作性を設計しつつ、新環境がもたらすメリットを利用者にどう伝えればいいのかという点で常に悩んでいました。しかも、コロナ禍であるために、従業員への教育は対面ではなくリモートです。そのような悩みもパナソニックISと相談して、どうすればわかりやすいシステムになるのかと一緒に試行錯誤していただきました」

そして木下氏は、このプロジェクトについては他のベンダーへの依頼はまったく考えず、最初からパナソニックISに一任するつもりだったと明かしました。「長年、パナソニックISには当社のVDIをお任せしてきましたが、トラブルが少なく、問題が発生したときの対応もスピーディーでした。最新動向に対してアンテナを常に張っていて、業界内で新たな問題が発生したようなときもすぐに教えてくれるので、事前に対策がとれました。そういう安心感が一番のパナソニックISにお任せする理由ですね。今後、他のDX、クラウドファーストなどの取り組みについても、踏み込んだ提案をいただけたらと思っています」と信頼と期待を口にしました。

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当社担当営業からひとこと
吉田 美加 Mika Yoshida

当社に決めていただいてから本番稼働まで約1年間のプロジェクトでした。その間、様々な課題はございましたが、丁寧に1つずつクリアにすることでトラブルもなく本番稼働することができました。当社SEの努力もございますが、お客様にも積極的にプロジェクトに参画していただいたことで、密にコミュニケーションを取ることができたからだと思います。今後も縁の下の力持ちとして末永くサポートしてまいります。

取材︓2021年11月26日 
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