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「都度構築から脱却できた」
在宅コンタクトセンターの構築を簡素化・迅速化でき、
オペレーターからも高い評価
ここがポイント |
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在宅コンタクトセンターにおける課題
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このように解決
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コロナ禍を機に在宅コンタクトセンター業務を推進するNTTマーケティングアクトProCXは、セキュリティの担保やコスト削減を目指して在宅プラットフォームの構築に踏み切りました。現在、パナソニックISが提案したリモートPCアレイの導入により、在宅プラットフォームの道筋が見えつつあります。
今回、そのリモートPCアレイの選定理由と効果、そしてロケーションフリーについて詳しく話を伺いました。
――パナソニックISにシステム導入を依頼する前のご状況についてお聞かせください。
八木氏 当グループは全国200拠点以上のコンタクトセンターを構え、各企業様へコンタクトセンター業務をご提供しています。コロナ禍がきっかけとなり、「ロケーションフリー」な働き方を実現するために在宅コンタクトセンター環境の構築に本格的に取り組み始めました。しかし、共通のプラットフォームがなく、お客様のコンタクトセンターを立ち上げるたびにネットワークやシステムを都度構築しなければいけないという課題がありました。それぞれの拠点のシステム担当者が苦心しながら、その時々に合った方法で在宅コンタクトセンター業務の環境づくりを行っていたのです。この「都度構築」から脱却したいと考えていました。
――コンタクトセンターを立ち上げるたびに構築となると、業務負荷が高そうです。
八木氏 特に中・小規模の拠点では、環境構築後の運用にも無理が生じてきます。PCを1台ずつキッティングするのにも膨大な工数が掛かっていました。そこで、在宅コンタクトセンターの環境を共通のプラットフォームとして構築する構想を立てました。
株式会社NTTマーケティングアクトProCX CXソリューション部 マネジメント部門 オペレーション統括担当 八木 幸雄 氏 |
――個別最適で環境を構築していたところから、共通のプラットフォームを構築することで全体最適化を図ったわけですね。
八木氏 そのとおりです。共通プラットフォームとしてオペレーターのPC環境を集約し、その上でお客様ごとの業務システムを稼働させるという構造です。システム構築の負荷から解放されるうえ、コストメリットも出すことができます。数席~10席程度の小規模なコンタクトセンターだと、業務量に対して構築コストが見合わないこともありますが、このプラットフォームならその心配もありません。
プラットフォームの構築に当たっては、セキュリティ面を最も重視しました。コンタクトセンターではお客様のデータをお預かりしているわけですから。特に自宅でコンタクトを受けるPCがFAT端末の場合、データを保存できてしまうため、セキュリティ面での懸念は否めません。ストレージを持たない「シンクライアント端末」にしたいと考えていました。
2021年10月に検討を始めて3社の製品・サービスをピックアップし、対応のスピード感と提案内容のバランス感が非常に良かったことから、最終的にはパナソニックISの「リモートPCアレイ」を選定しました。
株式会社NTTマーケティングアクトProCX CXソリューション部 マネジメント部門 オペレーション統括担当 千頭 しおり 氏 |
――具体的にはどのようなシステム構成ですか?
八木氏 リモートPCアレイにCitrix Virtual Desktopsを組み合わせ、シンクライアント端末へ画面転送するという構成を提案いただきました。リモートPCアレイは物理リソース(CPU、メモリ、SSD)を1つのカートリッジに集約したシンプルなシステムです。その1つのカートリッジに1人のオペレーターがアクセスする占有環境のため、仮想デスクトップ環境のように利用ユーザー同士でサーバリソースを取り合うようなことがありません。常に安定したコンタクトセンター業務が期待できるとともに、カートリッジは物理PCと同様の構成で、既存の業務システムをそのまま上に載せられますから、プラットフォームとしては最適でした。
また、Citrix Virtual Desktopsで画面だけを転送する形にしているため、端末にデータは保存できません。さらにリモートPCアレイを当社の堅牢な拠点内のサーバルームに設置することで、非常に強固なセキュリティを担保できました。
システム構成図 |
――2022年3月にひとつの拠点で30台のスモールスタートをして以降、9月に170台を追加し、2023年1月には100台を追加導入いただきました。パナソニックISの対応はいかがでしたか?
八木氏 半導体不足の影響もあって納期が厳しいなか、パナソニックISにはスピーディーな構築を約束していただきました。これまで各拠点ともにコンタクトセンターの構築に四苦八苦しており、在宅プラットフォームはスピードが大事だと考えていましたから、助かりました。パナソニックISは必ず複数パターンの解決策を用意してくれますし、「できない」と言われたこともありません。提案力を非常に評価しています。
――導入後の評価をお聞かせください。
八木氏 まず、カートリッジの基本スペックが高いため、既存の古いPCを使っているオペレーターからは「リモートPCアレイは速い」という声が上がっています。そして、在宅のオペレーターからもっとも評価されているのは、PC環境への接続が簡単な点です。例えば、VPN接続の場合、IDとパスワードを入力してVPNにつなぐことから始まり、いくつものステップを踏まないと拠点にアクセスすることができませんでした。その点、リモートPCアレイは、Citrix Virtual Desktopsから自身のデスクトップイメージを選ぶだけでPC環境にアクセスできます。この仕組みをオペレーターにレクチャーする時間は5分程度。非常に手軽なため、オペレーターからは高い評価を得ています。
さらに、コンタクトセンター業務を掛け持ちしているオペレーターの場合、これまでは複数台の端末を持ち帰るという面倒な手間がありました。リモートPCアレイはCitrix Virtual Desktopsでアクセスするカートリッジを変更できますから、業務ごとの端末は不要。我々もキッティングの手間から解放されました。
また、在宅プラットフォームだけでなく、拠点内での利用にも便利だということに気づきました。例えば、オペレーターフロアの拡張・縮小によるレイアウト変更の際も、リモートPCアレイであれば、場所にとらわれず、ネットワークを改修する必要がありません。こういった使い方は、良い事例として今後アピールできると考えています。
利用イメージ |
――お客様からの反応はいかがでしょうか。
八木氏 現場の営業担当がお客様に在宅プラットフォームを説明する際、分かりやすさは重要なキーワードです。そういう意味で言うと、リモートPCアレイにアクセスするシンクライアント端末をお見せすれば話は簡単。端末をお客様に持っていただければ、その軽さとともに仕組みも理解してもらえます。しかも、リモートPCアレイのカートリッジは一つひとつ独立していますから、基本的に既存のシステムを変更する必要がありません。他のリソースの干渉もありませんから、営業担当は自信を持って在宅プラットフォームを提案することができます。
さらに、オンプレミスで動くという点もアピールポイントです。「NTTグループである当社のサーバ室に設置しています」と断言できるのは、セキュリティの堅牢性をお伝えするうえで大きな強みになっています。
――最後に今後の展開と期待をお願いします。
八木氏 ロケーションフリーを推進することにより、リクルートの面でも柔軟性が得られるようになりました。遠方から在宅で勤務してくださっている方が既に数十名いらっしゃいます。例えばご家庭の都合で引っ越さざるを得ない場合でも、在宅で働き続けていただくという選択肢を作れていることには、満足感とやりがいを感じています。在宅で働きたいという方は世の中に大勢いるはずですから、そういった方々に働く場所を問わないロケーションフリーをご提案することで、社会貢献に寄与できるのではないかと考えています。
当社としても、エリアを限定することなく、働く意欲がある方を日本全国から募集できれば、安定して人材を確保できます。そして、それをお客様にご提供するコンタクト業務のサービス向上につなげられればと思っています。もちろん、そのためにはパナソニックISのサポートは不可欠です。引き続きよろしくお願いいたします。
当社担当営業からひとこと
渡邉 集 Atsumu Watanabe
2021年にNTTグループ全体でリモートワークを基本とする働き方が発表され、現地対応が必要なコンタクトセンター業務のテレワーク化は急務でした。自宅環境下でセキュリティを保ちつつ、スムーズなオペレーター業務を実現するために今回提案いたしましたリモートPCアレイとCitrix Virtual Desktopsによる組み合わせは最適でした。
今後、本プラットフォームを多くの皆様にご活用頂き、いつでも、どこでも働くことができる柔軟な環境を提供し、オペレーターの皆様のワークライフバランスをより充実したものにできればと思います。
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取材︓2022年12月15日
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